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タイトル : ちょっと試しに・・・・・

1 ゆきの

2002/03/15 10:46

こんにちは・・・四国がいなっていうんで行ってみたけど
どうも書き込みづらい。
こちらはどうかと・・・ちょっと試しに・・・

一昨日よかったこと。
「では、今日はこれで終わりましたので、失礼します。
また、来月11日に寄せていただきますから
わたしは筆箱、電卓、ファイルなど商売道具一式が
入った重いカバンを持ち上げて、部長に挨拶した。
駐車場の端に置いてあるカルタスのドアノブに手を掛けた
瞬間、視界の片隅に部長の白いワイシャツ姿が見えた。
「あっ、これ。品物じゃないんやけどな。
マクドナルドの商品券や。子どもさんとでもいっしょに
いったらええと思って。ホワイトデーには一日早いけど」
ワイシャツにはいつもパリとのりが効いて、柄物や
カラーシャツはいっさい着ない。
「仕事が忙しいって、日曜日はぼ〜〜としとんじゃ」
といいながら根っから仕事が好きなのが言葉の端々に
出ている。その部長に会うといつも何かほっとする。

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2 まりかちゃ

2002/03/15 13:19

いらっしゃいませ〜
あれ、あそこに書き込みしづらいですか?(汗)
どないしようかなぁ。。。私がスレッドあげて見ましょうか?
慣れるまで、、、でも(笑)

ほんで、ゆきのさんはここで小説を発表するちゅうんはどないです?
(笑)
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3 ゆきの

2002/03/19 10:50

いきなり小説というのも・・・・・
まあ、ぽつぽつと筆慣らしから。

同い年のその男は自分に似すぎていた。
わたしを好きなのか、わたしと話して、鏡にうつった自分を確認しようとしているのかわからなかった。とにかく夫にないものを持っているのは確かだった。プライドと学歴とやる気と。だが、夫もまた、この男にないものを持っている。非難され、罵倒されても、大事なものを手放さない忍耐力。結局、わたしは夫に帰っていくのかもしれない。

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4 ゆきの

2002/03/19 22:20

夫がわたしに帰ってきたように。
****************

「先生、わたし、お母さんのほうのおばあちゃんにも
お父さんのほうのおばあちゃんにも嫌われとんよ」
 あの言葉を聞いたときは、
(かわいい孫にそんな無神経なことをいうなんて)
と思ったののだが、この前、
(言われても仕方ないところもある)
と感じる出来事があった。
「先生、教え方がわるいけん」
 一瞬、息ができなかった。
 それは絶対に言ってはいけない言葉だった。意識せずにか、意地悪な気持ちがどこかにあってか、わからないけれど、




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5 ゆきの

2002/03/19 22:30

しばらく書いていない間に、あの指先に何かが降りてきて
機を織るように言葉を紡いでいく感覚が思い出せなくなっていた。
取り付かれたように、書き出したらとまらない、パソコンの画面と
頭の中の情景と溢れる感情と物語の展開以外は、
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6 ゆきの

2002/03/22 00:37

 夜明け前、不気味な夢を見た。
 医者が父の身体を切り刻む。
「これで大丈夫ですよ。悪いところは全部取り除きましたから」
 ステーキみたいにスライスされた肉片が、暖簾のように肋骨にくっついていた。わたしは大声で医者に抗議した。自分の声で目が覚める。昔は疲れすぎると、たびたびこんな経験をしたが、ここしばらくなかったのに。
 わたしは背中を丸めて眠る夫の背中にしがみついた。手のひらから、安堵の波が緩やかに広がる。つい昨日、父よりも近くに住む女友達の入院が心配だと言っていたのに、それは頭の中で考えた心の表層部分での感情だった。わたしは思ったよりずっと、父の病気にダメージを受けていた。そして、自分が考えているよりずっと、夫のことを頼りにしている。
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7 ゆきの

2002/04/03 21:50

病室のカーテンをぴったり閉めて、父はいつもじっとテレビに見入っていた。妹はそれを哀れだといい。母は病気を治すためなら、少しでも辛抱して良くなってから退院して欲しいという。私は二人とも自分の気持ちしか考えていないと思う。父が酒に溺れたのも、40年以上の結婚生活の中で何度も大病したのは、小さな辛抱を絶えず続けてきたことにあるんじゃないだろうか。病室の父は仏に近付いていくようで、頑固も偏屈も表情から剥ぎ取られて、穏やかで哀しげな内面のだけが強調されていた。この生き様を目にして、自分たちの感情だけに惑わされている母と妹が理解できなかった。私たち家族には「ありがとう」の気持ちが足りなかった。母は仕事を持ってなお毎日病院の父の様子を見に行く妹に対する感謝が足りず、妹は長い間父と母に子守に通ってもらったお陰で仕事を続けてこられたという恩を忘れていた。死を前にしてもなお母に気兼ねし、妹に無言の怒りをぶつけられる父は、あのカーテンの中で何を思いながらテレビを見ているんだろう。
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8 ゆきの

2002/04/03 22:15

あの頃、感情に翻弄され女であることだけに生きた蓉子はどこへ行ったのだろう。子宮を失くした喪失感はボディーブローのように徐々に神経を弱らせ、猜疑心と被害者意識だけに心を占領されていた。いや、彼女を本当に絶望させたのは母との確執だった。手術後の何本もチューブにつながれた娘を見ながら、母親は一度見舞金を持って来ただけだった。退院後の養生をする気遣う家族にも恵まれず、ぐったり横たわる蓉子の背中に冷たい夫の視線が鈍く突き刺さった。あの日から、蓉子の心に冷たい魔物が住みはじめた。
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9 ゆきの

2002/04/06 03:17

玄関の軍鶏に挨拶して、暗い土間を抜けると役場との厚い塀と屋根の間から陽が差し込む中庭があった。そこにりんご箱に緞子の座布団をのせて、ちょこんと座る蓉子はおばさまの小さな姫だった。た。
「蓉子、ここらの粗野な子どもらと遊んだらあかん。おばあちゃんといっしょにおったらええねん」
 大阪の医者の娘で、陸軍の偉い兵隊さんの未亡人だったおばあさまをその頃大阪で手広く商売していた祖父のが思い焦がれてもらったらしい。いつ行っても、何かしら細々と家の中を動き回っていた。県西部の田舎町で生まれ、ほとんど外へ出たことのない母と大阪生まれのプライドの高いおばあさまの間がうまく行っていなかったのは子ども心にも何となく感じることができた。

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10 ゆきの

2002/04/06 03:36

(慶介への思いを書くことで昇華していったように、父の死に様、生き様をは書いて乗り切るしかない)
 蓉子はそんな風に思い始めていた。死と対面する恐怖と孤独を不器用なまでに覆い隠し最後を迎えようとしている父に接するたび、蓉子は自分の中で渦巻いていた過去の恨みを払拭していった。祖母の千里から父へ、父から蓉子へ、蓉子から娘の希望へと誇り高い加賀山家の血は脈々と受け継がれている。
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