POB 本好き連。

*本好き連へようこそ* URLが変更になりました。 ブックマークの登録の変更をお願いします。


四季の移ろうように人も変わっていきます。
しかし、ここに集う人が変わらない唯一のこと
それが本好きである事です。

本好き連はBBSがメインのちょっと変わった集まりです。
一つのスレッドを上げればそこはあなたのスペースになります。
必要なのは、ハンドル・ネームとお約束を守ってくれること。
一緒に遊んでみませんか?

*お約束*
個人に対する誹謗中傷などはしないでください。
HPの宣伝等は書いたままにするのではなく、一生懸命宣伝してください。
自分の発言には自分で責任を持ちましょう。

個人情報の取り扱いにご注意ください。

遊BBSへ近道
本のBBSへ近道
マナーを守って投稿しましょう。この掲示板ではタグは使用できません。
URL、メールアドレスは自動的にリンクされます。
新規投稿はすぐ下から行えます。
スレッド削除キー(最初に投稿した削除キーと同様)   

タイトル : 新説ももたろー伝説

1 まりかちゃ

2003/07/14 14:08

むかしむかし。
あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは、山に芝刈りに、おばあさんは川にせんたくに。

おばあさんが川でせんたくをしていると、川上から大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れて来ました。
おばあさんは、腰を抜かして目の前に流れていく大きな桃をまんまるな目をして、見送ってしまいました。

大きな桃は、川の流れに乗ってどんぶらこ。

さていったいどこにたどり着くのでしょう?
削除キー   

2 まりかちゃ

2003/07/14 14:20

「じいさん、じいさん」おばあさんは、山から帰ったおじいさんにさっそく報告するようです。
「きょう、川ででけぇ桃を見ただよ」
「あん?でけぇ桃だと?」
「そうさね、こんくらいあっただかなぁ?」手を広げて大きさを説明しています。
「ばか言うでねぇぞ、おめぇ。そんなでけぇ桃があるわけねぇ」
「だって、本当に見たんだよぉ。おら、腰抜かしてしまって」
「おめぇ、まぼろしでも見たんだべさ」
「うんにゃ、そんなことはねーよ、あれは確かに桃だった」
「おめーも年取ったなぁ・・・」じいさんは、ばあさんが惚けてしまったと思うことにしたようです。
「そんなにでかい桃なら食って見たかったな」食い気を出してじいさんが言いました。

でも、その桃は食べられる桃ではなかったのです。
削除キー   

3 まりかちゃ

2003/07/14 14:51

「ふぁぁあ、、、退屈じゃ。。。」大きなあくびをしているのは神様と呼ばれているんですが。。。

「なんぞおもしろいことはないものかのう。。。」ちょっと〜。
手には粘度を持ってたりしますよ。。。あんた、幼稚園児かよ。
で、なんかこしらえ始めました。
「こうして、こうしてっと。角もいるか?よしっ、こんなもんかな?」
なんか、鬼を作っちゃったみたいですよ、この人・・・
「後、二つ三つ、作ろうかな、暇だし〜」おいおい。
まだ作る気みたいです。
「オレの才能も捨てたもんじゃないなぁ」ってこの神様、実はげーじゅつかを目指していたんですね。粘度細工が得意って。。。
で、この神様、元は人間だったんですが、女神様をたらしこんで神様に昇格しちゃったんで昔の気質が抜けてません。鬼をいつの間にか五つもこさえてしまいました。
その時。
「アナター!」と大きな声で女神様、登場。
「うわぁぁぁ」とのけぞる神様。と同時に作った鬼を落としてしまいましたよ、あ〜あ。
この神様、ものすごい恐妻家。すでにおどおどしてます。
「どうかなさった?」女神様の問いに
「ううう、粘度で鬼を作ってたんだけど、おまえが急に声をかけたものだから落としてしまったよ・・・ごめん・・・」すでに謝ってます。
「粘度って、この粘度。。。下界に落ちたら、そのものになるのよ?あなたは下界に鬼を降ろしてしまったの?」
「ひぇ〜、ごめんなさい。だって、暇だったし。。。」声が小さくなってます。
「すぐ壊すつもりだったんだよぉ。。。急に声なんかかけるから」ぼそぼそ。
「なんですって?!あれほど粘度遊びはしちゃけないって言ったのに!」
「す、すまん」どうも禁止令を無視してたみたいですね。

すっかりご機嫌ナナメになった女神様にすがるように神様が
「ねぇ、なんとかしてよ〜」
「困ったわねぇ」思案顔の女神様。
天界には桃の木があっていつも実がなっています。その実を一つ取りいいました。
「アナタの作った鬼を退治させる者を下界に送りましょう。あなたは粘度で賢くて強い、あ、でも美形の少年がいいなぁ」あの〜
「作れるわよね?」
「はい、丹精こめて作ります」
「美形よ!美形!」
「私はこの桃に細工をしてくるわ〜」と行ってしまいました。
「美形だってよ。ブツブツ。あいつ、美形好きだからなぁ・・・」

さて、女神様は、桃を見ながら。。。細工?


削除キー   

4 ひ み つ

2003/07/14 15:58

粘土?
削除キー   

5 な い しょ ♪

2003/07/14 17:09

燃怒(笑)
削除キー   

6 まりかちゃ

2003/07/14 17:41

女神様は、桃を眺めながら、
「桃には大きな種がある。うん、種が問題だな」この人何を考えてるんでしょう?当たり前じゃん。
「えーい、種を取っちゃえ!うん、これでここに空洞ができるから・・・」
一人でブツブツ呟いていますよ?
「でー、こうやってああやって。。。大きさはこのくらいかな?うん。桃そのままだと腐っちゃうと困るなぁ。。。金属にしちゃうか」あの〜
「よっし、こんなもんだな。見た目は桃だしぃ。この中に鬼退治の美形を入れて・・・っと」
「うーん、でもそれからどうしようかなぁ?」ちょっと考えてないの?
「とりあえず、川にでも流してみるか」いい加減な。
「うんせっ」いや、女神様なんだから自分で運ばなくても。
よたよたしながら、女神様は桃を神様のもとに。
ちょうど、その頃、神様も美形の若者を作り終えたところで、
「ま、こんなもんかな?」と自分に似た粘度の人型を眺めていました。そこに女神がやって来て
「出来たのぉ?」
「うん、どう?この出来映え」
「なんか、アナタに似てない?」と嫌そう。
「そうかなぁ?」
「もうちょっと鼻を高くしてさぁ。そそ、そんな感じ。で目元は涼しく。うん。口元がいやらしいなぁ。もうちょっとすっきりした感じにしてよ。そうそう、細面で」と注文がうるさい。
「あら、私の好みにピッタリだわー」とうっとりと目を細めて。
「ねぇ、これ私のペットにしちゃダメ?」
「だーめ!」とさすがの神様もこれには反対する模様。
「さっさと下界に送らないと、鬼退治しないでしょう?今度作ってあげるからね」とか調子の良い事いいながら。
(二度と粘土には触らないもんね)と心に誓ったのでした。
「ほんとに約束よ」と女神様が触ると、粘土細工は若者に早変わり。動き始めました。
「うっとりしちゃうわー、きゃあ」間違ってますって。
「さ、さ、さっさとその桃の中にいれてしまおうね」神様ちょっとおかんむりですが。
桃をパコッっと開けて無理やり押し込んでしまいました。
「で?どうするの?」
「とりあえず、あそこの川にでも流して」
「流しても大丈夫?」
「平気、平気。頑丈に作ったから」
というわけで、桃を天上からぽいっと投げ捨てたのでした。
「追跡機能付けてあるの。だからこれから、ここであの若者の活躍を楽しめるってわけよ」なんか二人とも間違ってます。

そんなわけで、桃は川を流れていたのでした。
削除キー   

7 まりかちゃ

2003/07/14 18:06

しかし、この桃巨大すぎ、見る人はすべて腰を抜かしてしまう有様。どうも失敗したようなんですが。。。天上の神様たちは気づかずにワクワクしながら、これから始まるであろうドラマを期待しているわけで。

そうこうしているうちに、桃は海に漂う小舟のように、ざっばーんと波に叩かれておりました。若者は桃が開けられるまでは何も知らずに眠っているように設定されています(おい)
このままだと、哀れ海の藻屑となってしまう。

そんなときです。
あほーな鮫が大きな桃にかぶりつきました。言っときますが、桃ではなく金属の塊なわけですが、この鮫悪食なうえにあごが強かった。
桃に開くはずのない穴が開き、浸水を始めたのです。
ブクブクブク。
深い深い海の底にゆっくりゆっくり沈んで行ったのでした。

さて、その海の底には竜宮城があって、乙姫様があくびをしておりました。

「あ〜あ、たいくつー。なにか面白いことないかしら?」とぼやいています。
「姫様、先ほどカメに面白いことを探しておいでとおっしゃったばかりではございませんか」と鯛が言います。
「だってー、カメは鈍いから、退屈なんだもん」どうも我が儘いっぱいの乙姫様のようで。
「ですから、カメはおよしなさいませと申しましたのに」
「だって、カメが自分で言ったんだもん。私は陸にも上がれますから、きっと姫様の気に入るものをお持ちいたします。ってね」
「だから頼んで見たのよ、期待はしてないけど」薄情な。

その頃、カメは陸を目指して一生懸命泳いでおりました。その目の前に桃が沈んできたので
「しめたっ!これで長旅をしなくても済む。ラッキー♪」とその桃を竜宮城に持って帰ることにしたのでした。
削除キー   

8 まりかちゃ

2003/07/14 23:07

「只今戻りました」とカメが竜宮城に戻って来て、乙姫様の前に桃を差し出しているところなのですが、乙姫様はご機嫌斜めのご様子。

「ちょっと〜、カメ!いやに早いじゃないのよ?ずるかまそうったってそうはいかないよ?」柄の悪い乙姫様ですな。
「のろまなアンタがこんなに早く帰って来れるわけないじゃん」
乙姫様の剣幕にたじろぐカメ。
「えっとですね。。。陸に上がってすぐこれを見つけましたので大急ぎで帰ってきた次第で・・・」しどろもどろ。
「ふうん。お前が大急ぎで戻って来てもこんなに早いはずないんだけどねぇ・・・」疑いの眼差しです。
「信じてくださいませ、姫。姫のために大急ぎでフルスピードで戻った私のこの努力」半泣きの名演技です。カメはなかなかの演技派。
「本当かしらねぇ・・・ま、いいわ。で?それはいったい何なの?」
「桃のようでございますが。この大きさは少し変だと思われますなぁ」
「桃?」
「陸の果物でございますよ、姫。甘くて美味しいと聞いておりますが」
「食べたーーい」とさっそく所望するあたり、食いしん坊のようで。
「では、まず私がお毒見を」とカメやら鯛やらが押し合いへし合いしています。彼らは桃など食ったことがなかったんですねぇ。
「お黙りっ!」しーんと静まりかえる竜宮城内。乙姫様の剣幕は何よりも恐ろしいものだと誰もが知っています。
「割ってごらん。わらわが、一番に食す」
鯛が包丁で桃に切れ目を入れようと包丁を桃に差し込むと、カチンという音とともに、パカリと桃が二つに割れ中からかの美少年が「うーん」といううめきとともに立ち上がったのでした。
「うわ〜〜っ!!」とどよめく皆の衆。その中で一番まんまるな目をしてぱたぱたさせているのが乙姫様だったのは言うまでもなく。
(うわぁ、もろタイプだわ〜)という内心の叫びを気取らせる風もなく
「何者じゃ?この者」と問い質すあたり、さすが姫。美少年はたじろぐことなく
「桃から生まれたももたろー」と自己紹介したのでした。
削除キー   

9 氷犬

2003/07/16 00:16

>わらわが、一番に食す

食されたんやろか・・・・・
削除キー   

10 まりかちゃ

2003/07/26 16:22

はて、ここまで書いて作者はふと悩む。
このままでは、浦島太郎さんの出番がなくなってしまうではないか。
いや待て、主人公はモモタロー。
鬼退治をさせなければ、終われないわけだ。
ううむ。このままではドタバタ喜劇になってしまう。
というより、乙姫様がモモタローを離すかどうか問題だ。
どうしやう?
削除キー   

11 まりかちゃ

2003/07/31 01:23

乙姫様の瞳はすでにハートマークでキラキラしています。素敵!カッコ良い、もろ好み!これは物にしなくては・・・と考える乙姫様。しかし、このモモタロープログラムには「恋愛禁止」という条項が入っています。嫉妬深い女神様の企み。
そうとは知らない乙姫様。声は猫撫で声、品を作って、モモタロー誘惑大作戦の始まり始まり。
「モモタローさま、この城で二人で仲良く暮らしましょう」と早速プロポーズする始末。しかし、モモタローは冷たく
「いや、鬼退治に行かねばなりません。これにて失礼」と今にも駆け出しそうな勢い。
「お待ちになってー」と縋る乙姫様。ここでこんな良い男に逃げられては、二度とチャンスがないかもしれないわ。と心の中で叫んでいます。
これを見ている周りの家来は気が気ではありません。この乙姫様見かけは美しいが、怒るとそれはそれは怖いお方。その上この方が怒ると海も荒れ狂います。この前浦島太郎というハンサムな人に振られた時は、三日三晩、竜宮城の中で荒れ狂い、ついでに海まで荒れて、沈んだ船の数は知れず。それで、意地の悪い乙姫様は、お土産と称して玉手箱なるものを太郎さんにあげたのですが、これが開けると年を取ってしまうという魔法のかかった箱でして。その時も、道案内をしてきたのはカメだったのですが、カメはものすごく後悔の念に襲われ、今でもうなされるときがあるくらいなのです。ですから、この状況は前の浦島太郎のときと同じ。いや、浦島さんは結局乙姫様の誘惑に負けてしばらくこの城に滞在したわけでして。つかの間だったにせよ、お城の中はハートが飛び交いラブラブなムードに包まれていたんですよ。でも、今回は様子が違う。
美しい乙姫様を見ても目の色一つ変えないモモタローとやらは、どうもこの竜宮城にとって招かれざる客。乙姫様の家来たちは、このままではトーンでもない事になってしまうと背中に冷や汗、顔は青ざめ、この展開をどう打破すればいいのかと思案しているのでした。
「カメ、あんたがあんなもの持ってくるから悪い!なんとかしなさい!」と鯛やヒラメに突付かれています。
「ええー?私のせいだっていうのかよ?」一斉にカメに注がれる視線はそれはそれは冷たく針のように鋭くカメに突き刺さりました。
「ちぇ・・・なんでも私のせいにするんだよな」とふて腐れたカメ。
「わかったよ、なんとかすりゃいいんだろ?するよ。しますよ」と大見得を切りました。
「その言葉忘れないでよね?」と鯛やヒラメその他大勢の家来に詰め寄られカメは仰向けにひっくり返ってしまったのでした。
削除キー   

12 まりかちゃ

2003/07/31 02:18

ひっくり返ったカメ。
これほど無防備なものはありません。しかも、誰も助けてくれないときている。
誰も助けてくれないカメはしばらくここにいてもらうことにして。

乙姫様はモモタローに言い寄っています。フェロモン全開です。この色気でもって絶対陥落させてやるーー!!ってすごい鼻息です。しかし、モモタローは押し倒されようがどうしようが一向になびく気配すらみせません。そろそろ乙姫様切れそうですよ・・・怖いですね。
とりあえず、モモタローに嫌われてはいけませんから、もっぱら被害にあっているのは今のところ鯛とヒラメ。
「きぃー!!こんなに迫ってるのにあの朴念仁」念入りに化粧直しをほどこしている鏡の前で乙姫様大荒れ。手に持っている団扇がベキッと音を立てて壊れます。
「姫様、ほどなくカメがなんとかしてくれましょうほどに、ここは一つ気を静めて」と鯛やヒラメがとりなすんだけど。
「カメ?カメなどどうでもよいわ!モモタローさまさえ私のものになれば」今度はよよと泣き伏します。いや、恋する女は手におえませんな。
鯛とヒラメはため息をついています。

その頃、天上では、女神様がモニターを見て大笑いをしていたのでした。
「ぎゃははは。バカじゃん。あの女」これこれ、品のない。そうです、自分のプログラムが見事に実行されているのを確認して大喜びをしているのです。その横では神様が自分が落としてしまった鬼が暴れているのを違うモニターでうんざりしながら見ています。
「お前ね。喜んでないで何とかしておくれよ」と頼んでも下界におちてしまったものはどうしようもないの一点張り。
「だって、お前俺より力あるじゃん」と言うと
「神様だからといって下界に干渉することは許されていないのです」ときっぱり言われてしまい、挙句
「作ったあなたの責任としてモニターをしっかり見ていなさい」と命令されてしまったのでした。
気が小さくて根は優しい神様ですから、しゅんとなってしまったのでした。

ここでカメの再登場。
誰にも起してもらえないカメがうんうん唸っておりますと、そこにモモタローが現れました。
「なにをやってんの?」気軽に尋ねます。
「いや、何って言われても。ひっくリ返っちゃって起きられないんですよ。見てないで起こしてくださいよ〜」
「どうしようかなぁ?」と考えるモモタロー。意地が悪いようです。
「ただで?」モモタローの問い。
「え?」
「ただで助けてくれると思うほど世の中甘くないのよ?カメくん」と妙にしたり顔で言います。
「えーっ、そんなぁ・・・」足をバタバタさせながらもがくカメ。
「助けて欲しいんでしょ?だったら頼み方ってもんがあるよねぇ」と覗き込むモモタロー。
「お、お願いします。助けてください」涙ながらに訴えるカメ。
「よろしい。条件があるんだけど、飲む?」
「条件?」
「そう、条件」ハンサムな顔でニコリと微笑む。
「飲まないという権利はあるのでしょうか?」誰も愛の手はさしのべてくれないのねっ、といじけつつ問う。
「ないね」冷たい返事。一瞬、このままこうしていたいと思うカメ。世の中なんかだいっきらいだー!!
「どうする?このまま置いておいてもいいんだけどね。誰か助けてくれる人いるのかな?」ますます意地が悪い。
「お、お願い。助けて」ついに言ってはいけない言葉を口にしてしまいそうです。
「条件でも何でも飲むから、たすけてっ」ああ、言ってしまった。
「よし、今このときから、君は私の家来ね。乙姫様にも逆らってもらうからね」と言って、カメを助けたモモタローなのでした。

カメにとっては、前門の虎後門の狼といったところか。ぐったりとうな垂れるカメ。
「さ、行こうかね」と爽やかにいうモモタローを恨めしく眺めて
「どちらに?」
「鬼退治に決ってるでしょ?」
削除キー   

13 fool

2003/07/31 20:52

ももたろー伝説再開ですね。楽しみ楽しみ(笑)
削除キー   

14 まりかちゃ

2003/08/05 00:36

モモタローとカメは鬼が島に向かって旅に出ました。が、すんなり竜宮城を出られたわけではなく、すったもんだの挙句、乙姫様をだまくらかすように旅に出る許可を得たのでした。

「私の言うとおりにして正解だったでしょう?」カメが言います。
「あのやり方は、正解と言えるのかねぇ?」懐疑的なモモタロー。
「あなたは、乙姫様をご存知ないから、そんなことが言えるんですよ」
乙姫様の怖さを熟知しているカメは言います。
「でも、私は詐欺師にでもなったような気がするよ」愚痴るモモタロー。
「嘘も方便というではありませんか?許されますよ。というかですね。嘘にしなきゃいいわけですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙ってしまったモモタローの代わりにカメが話し続けます。
「乙姫様だって決して悪いお方ではございません。怒りさえしなければかわいいお方なのですよ」
「・・・かわいい」首をかしげるモモタロー。
そう、ももたろーは鬼退治が済んだら戻って来て乙姫様と結婚するという約束を交わして竜宮城を旅立ってきたのですから。ま、そういう話になるまでに、いろいろカメが画策したのは言うまでもないことですが。

話を少し戻して見ましょうかね。
モモタローに助けられたカメは、その場でモモタローの家来になりました。そのまま立ち去ろうとするモモタローを止めたのは、カメです。
「わーっ、ちょっと待った!!このまま出て行くのはまずいですよ」
「なんで?」
「そりゃ、あなた、旅の安全が確保できないじゃないですか」
「どうして?」
「乙姫様が怒ると海の底から荒れるんですよ」
「へぇー」
「それにですよ、乙姫様の持つ情報網もバカに出来ませんし」
「情報網?」
「はい。海の中の事、周辺海域のことならすべて乙姫様の耳に入る仕組みが出来上がっていまして」実はこれが一番怖いわけです、カメとしては。
「ですから、鬼もことも乙姫様は何かご存知かも知れないわけでして」
ピクッ、この一言がモモタローを止めたといっても過言ではありませんでした。
「乙姫は鬼のことを知っているのか?」
「おそらく・・・」
「聞きに行こう」案外せっかちなモモタローです。
「わーーーっ、ちょっと待って。ダメですって。そんなに慌ててはいけません。じっくり作戦を練らないと」
「作戦って?」カメに詰め寄るモモタロー。
カメはモモタローを誰もいない部屋に連れ込みました。
「壁に耳ありですからね」というか敵だらけらしいっすね、カメさん。
「あのですね・・・」カメはモモタローに知恵を、いえ悪知恵を吹き込みはじめました。
削除キー   

15 まりかちゃ

2003/12/19 00:20

カメの話によると、竜宮城には宝物殿というべきものがあるらしく、いろいろな宝物が納められているらしい。しかし、その中身をすべて把握しており尚且つ扱い方を熟知しているのは乙姫だけだという。その中から、鬼退治に役立ちそうなお宝を二つ三ついただき、利用しようというわけです。それには、まず乙姫に取入らなくてはいけない。理由その一というわけですな。
次が、乙姫の情報網。海はなるほど繋がっているわけですから、そのすべての海に関する情報は乙姫に繋がっていると言うわけ。乙姫は竜宮城に居ながらいろいろな事を知っているはずだとカメは言います。
「ならば、何故鬼のことを教えてくれないのだろう?」とモモタローが首を傾げますと
「そりゃ、教えたらあなたが出て行くからに決っているでしょう。女心ですよ」といやにわかったような口を聞く。続けて
「もし情報が欲しいなら、うまく取入ることです。あなたが出て行っても必ず帰って来ると約束すれば乙姫様は情報も教えてくれるし、あなたが怪我をしないようなお宝を出してくれるに違いありません。それを持って出ればあなたは鬼退治に苦労することもなくなりますし、情報が手に入ればこれまた苦労知らずに目的地にたどり着けますし一石二鳥」
「そんなに上手く行くか?」とモモタロー。
「上手くやるのがあなたの腕ですよ」
「そんな腕は私にはないが・・・」
「いえ、やってもらわないと困るのです」
「何故、お前が困る」
「えーっと、それはですね。。。」しどろもどろになるカメ。
「えーっと、えーっと私はあなたの家来になったわけですから、あなたが強くなってくれないと私が助けなくてはならなく・・・ごにょごにょ」最後の方は尻すぼみに小さくなっていく。
「主人を助けないつもりなのかい?お前」
「いえ、そんなわけでは・・・・・・でも私はカメでのろまなので・・・助けられない可能性が・・・・・」
「なるほど〜、そういうことにして置こうかね」と冷たい視線のモモタロー。
「で、私はどう言えば乙姫に気に入られるのだ?」
「それぐらい、自分で考えてくださいよ〜」
「いや、面倒なんだ。カメは乙姫の気性を良く知っているようだし」
「気性は知っておりますが・・・恋愛の対象ではありませんので私の場合は。参考になりますかどうか」と言いつつ、モモタローに耳打ちし始めた。ふむふむと頷くモモタロー。
「なるほど。後ろめたい気もするが・・・鬼退治のためやってみよう」と言うモモタローに
「そうそう目的のためなら手段を選んではいけません」とカメ。
モモタローは「よしっ!」と気合を入れると乙姫の部屋に乗り込んで行ったのでした。

削除キー   

ホームページ  検索  ヘルプ  |  リスト   前のスレッド  次のスレッド  
お名前
メール
内容

送信する前に確認しましょう       

Point One BBS