POB 本好き連。

*本好き連へようこそ* URLが変更になりました。 ブックマークの登録の変更をお願いします。


四季の移ろうように人も変わっていきます。
しかし、ここに集う人が変わらない唯一のこと
それが本好きである事です。

本好き連はBBSがメインのちょっと変わった集まりです。
一つのスレッドを上げればそこはあなたのスペースになります。
必要なのは、ハンドル・ネームとお約束を守ってくれること。
一緒に遊んでみませんか?

*お約束*
個人に対する誹謗中傷などはしないでください。
HPの宣伝等は書いたままにするのではなく、一生懸命宣伝してください。
自分の発言には自分で責任を持ちましょう。

個人情報の取り扱いにご注意ください。

遊BBSへ近道
本のBBSへ近道
マナーを守って投稿しましょう。この掲示板ではタグは使用できません。
URL、メールアドレスは自動的にリンクされます。
新規投稿はすぐ下から行えます。
スレッド削除キー(最初に投稿した削除キーと同様)   

タイトル : 一行リレー小説

1 まりかちゃ

2001/11/30 02:29

お待たせしました〜、一行リレー小説再開します。
前回無理やり終わらせて、ブーイングの雨荒らし。。。(泣)

ルールは簡単。一行で前の文章に繋いでください。
世界はあなたの一行で変わるかもしれない。
ここで落とせると思ったら終わらせてくださっても結構です。
書いた人の勝ち。(笑)かき混ぜるのは歓迎ですが
よく読んでお書きください。ではスタートします。


削除キー   

2 まりかちゃ

2001/11/30 13:54

この世界はすべてが闇に包まれている。しかし、闇からは何も生まれない。
削除キー   

3 れみすけ

2001/12/01 14:52

では光?光なら何かを生み出せる?
削除キー   

4 めでぃ

2001/12/01 23:34

YES.でもそれは太陽じゃない。僕の闇を切り裂く輝きは
削除キー   

5 noa

2001/12/02 14:43

あなたの愛・ ・ ・ 僕は それをずっと待っている。
削除キー   

6 かなめ

2001/12/03 00:22

北方の、何の変哲もない村に1人の老婆が居た。
削除キー   

7 まりかちゃ@管理人

2001/12/03 12:27

老婆は悪い魔法使いに魔法を取り上げられた魔法使いだった。
削除キー   

8 ちー坊

2001/12/04 00:05

あんたも愛が欲しいのかな。『それっ、・・・ダメじゃ』魔法が効かない
削除キー   

9 まりかちゃ

2001/12/05 14:47

老婆の名前はローズマリー、魔法使いの世界ではちょっと有名な人物だった。
削除キー   

10 めでぃ

2001/12/05 22:31

雲をつくような大女で、しゃがれ声でいつも何かまくしたてている
削除キー   

11 かなめ

2001/12/05 23:55

そして何よりの特徴は、影が無かった。魔法と共に影を盗まれたのだ。
削除キー   

12 れみすけ

2001/12/06 10:23

「太陽が何様のもんだい。あたしの影さえ生み出せないただの熱球さね」それが魔女の口癖。
削除キー   

13 まりかちゃ

2001/12/06 14:06

太陽のせいでない。わかっていてもそういうより他ない苛立ちが彼女にはある。
削除キー   

14 かなめ

2001/12/06 14:39

彼女の住む北国から遠く離れた南の島に、ある日大きな固まりが落ちて来た。
削除キー   

15 ちー坊

2001/12/06 22:48

おおおぅ!!!あれはっ・・・・・、太陽の分身じゃあ〜。海が煮えたぎる。
削除キー   

16 まりかちゃ

2001/12/06 23:39

島の少年トントは落っこちて来たそれを見た瞬間そう思って逃げた。
削除キー   

17 かなめ

2001/12/07 09:55

逃げる途中彼は気付いた。自分の足から続く影が二つに増えている事に。
削除キー   

18 まりかちゃ

2001/12/08 02:33

「ママ、僕の影ふたつあるよ」と家にたどり着くなり言った彼を見て母は眉をひそめた。
削除キー   

19 めでぃ

2001/12/08 05:43

母サロメは、息子からわずかな魔力を感じ戸惑った。この子が魔法を?
削除キー   

20 telle

2001/12/08 13:50

もう、全てを話さなければならない時期になってしまったのか?
削除キー   

21 まりかちゃ

2001/12/08 19:23

サロメは魔女である。そしてローズマリーの娘でもあった。
削除キー   

22 工事屋

2001/12/09 14:07

トントに2つの影が出来てから7回目の夜が来たとき、サロメは静かに語り始めた。
削除キー   

23 noa

2001/12/09 16:46

「よ〜く お聞きトント、お前にはやらなければならないことがあるのだよ。それはね・・・ 」
削除キー   

24 まりかちゃ

2001/12/10 02:07

「おまえの影を一つにするために北の国のおばあさんのところへ旅立つのです」
削除キー   

25 かなめ

2001/12/11 10:25

「あの海に落ちた物が追って来るから、決して振り向いては駄目よ」
削除キー   

26 まりかちゃ

2001/12/11 14:21

「そして、影が二つあるのを他の人に見られないようにね」と彼女は指輪を抜いた。
削除キー   

27 かなめ

2001/12/11 23:20

トントの右の人差し指に指輪を填めると、影が一つ見えなくなった。
削除キー   

28 まりかちゃ

2001/12/12 15:36

「これは魔法の指輪。母が私を守るためにくれた物。今度はおまえを守るために」
削除キー   

29 かなめ

2001/12/14 01:14

そしてトントは旅立った。
削除キー   

30 工事屋

2001/12/14 22:25

右手に指輪を、左手にありったけの勇気を持って。
削除キー   

31 まりかちゃ

2001/12/15 15:11

その頃、ローズマリーは異変に気付いた。あたりは暗く怪しい気配が漂って来ていた。
削除キー   

32 めでぃ

2001/12/16 00:37

彼女は火掻き棒を引っ掴んで堅く握り締めると、ゆっくりと外に出た。
削除キー   

33 侶毘

2001/12/16 00:59

外は厚い雲で覆われていた。
削除キー   

34 まりかちゃ

2001/12/16 13:15

「あいつだ、私から娘と魔法と影を奪ったあいつがまたやって来た」
削除キー   

35 かなめ

2001/12/17 01:28

彼女は躊躇せず、地面に火掻き棒でくるくると不思議な模様を描いた。
削除キー   

36 まりかちゃ

2001/12/18 14:09

彼女がその作業を続けていると一羽の鳥がどこからともなく現れた。
削除キー   

37 めでぃ

2001/12/19 16:38

鳥は幾度かゆっくりと旋回すると、模様の中心に舞い降りた。
削除キー   

38 かなめ

2001/12/20 10:17

すると不思議な事に、鳥が若い男の姿へ変わった。
削除キー   

39 まりかちゃ

2001/12/20 11:22

「お久しぶりでございます。サロメ様からの伝言を預かってまりいました」
削除キー   

40 かなめ

2001/12/21 10:59

男は頭を垂れ、片膝をつくと、サロメの声で語り出した。
削除キー   

41 まりかちゃ

2001/12/21 14:00

「トントは旅立ったのだな、私の影に違いない。あれから100年たったということだ」
削除キー   

42 かなめ

2001/12/21 16:03

「長い百年でございました・・・わたくしもこの時をお待ちしておりました」
削除キー   

43 まりかちゃ

2001/12/22 15:02

百年前、魔法を奪われる前に呪いを解く魔法を彼女はかけたのだった、そして全てを守った。
削除キー   

44 かなめ

2001/12/25 15:09

「私よりもっと強い力を持った子が、じきにお前の呪いも解いてくれる」
削除キー   

45 めでぃ

2001/12/25 16:17

空気が急速に冷え込んできた、凍えるほどに寒い。イェスパーの眷属が来たか
削除キー   

46 まりかちゃ

2001/12/28 01:44

魔法使いの権力争いにローズマリーは嫌気が差していた。
削除キー   

47 めでぃ

2001/12/28 02:58

死人が出すぎるのだ。次なる王が決まるまで、世界は闇に満たされる。
削除キー   

48 かなめ

2001/12/28 11:38

しかし、微かな光がある事も知っていた。トントという光が。
削除キー   

49 めでぃ

2002/01/01 22:55

この国では魔法使いが支配者である。深い知識と魔法の力によって、彼らは政をつかさどる。そして最高の魔法使いが君臨する。魔法の力と権威を併せ持った王の下で国家は安定し、百年の太平が続く。だが、王が死ぬと…
削除キー   

50 まりかちゃ

2002/01/04 01:56

王が死ぬと王が決まるまで国は安定せずいつまでも不安定なまま闇が続く。

削除キー   

51 めでぃ

2002/01/07 05:10

王座に座る資格は最高の魔法使いにのみ与えられる。魔法使い達は己の実力を知らしめるために、王位を目指し熾烈な闘争を延々と続けることになる。王を生み出すに充分な量の血液が大地に吸われるまで。
削除キー   

52 まりかちゃ

2002/01/08 13:25

しかし、それは間違っている。ローズマリーは考えていた。血は流れなくても良いはずであると。そのために自分は身を引いたのである。次の世代に渡すために。トントはそのために必要な宝だった。
削除キー   

53 かなめ

2002/01/09 12:03

「さあ、お前は行ってあの子を助けておやり。但し見守るだけで手を出してはいけないよ。身に降りかかる火の粉を払えないようでは真の王とは言えないからね」
削除キー   

54 まりかちゃ

2002/01/09 15:19

トントの旅は始まったばかりだった。南の島を出て、今は船に乗っている。母は振り返ってはいけないと言った。だけど最後にもう一度自分が生まれた島を見たくて仕方なかった。その時、トントの目の前にバカでかい男が立ふさがった。
削除キー   

55 かなめ

2002/01/10 09:38

「振り返るな。過去を見ると闇に取り込まれるぞ。サロメ様に言われたではないか」

削除キー   

56 まりかちゃ

2002/01/11 13:45

「お前は誰?ママの事を知っているの?」トントは驚いてたずねた。
その大男はニヤリと笑うとトントの目の前からふっと消えた。そして、トントの耳元で「俺はいつもお前の事を見守っている」という声が聞こえた。
削除キー   

57 めでぃ

2002/01/12 00:43

それから船中さがしまわったけど、大男はどこにもいなかった。「ふええっ不思議なことがあるもんだなあ、おもしろいや」と大声で叫び、オレンジの皮を海に投げ捨てた。港が見える、島のオレンジとはしばらくお別れかもしれない。
削除キー   

58 まりかちゃ

2002/01/13 15:24

トントは船の中を探検してみることにした。初めて乗る大きな船である。マストが何本も立っている大きな船人もたくさん乗っている。これからはじまる冒険に少し胸がわくわくしてきたところだ。マストのテッペンには鳥が一羽止まっている。
削除キー   

59 かなめ

2002/01/14 00:05

波をざぶざぶ掻き分けて、船は進む。
夜と朝が何度も訪れ、数えるのが嫌になった頃、やっと陸地が見えた。
削除キー   

60 まりかちゃ

2002/01/14 15:53

「陸が見えたぞー」水夫の大声で、人々はざわめき始めた。トントは陸に上がってどちらに行けばいいのかわからなかった。指輪が光った。
「北極星を目指して進みなさい」母親の声がどこからともなく聞こえてきた。
削除キー   

61 めでぃ

2002/01/15 05:03

トントは港で猫と遊んでいた燃えるような赤毛の少女にたずねた。「北極星の方向…ならここからいちばん近いのはカモッラだね」「カモッラ?」「オメルタの王都。でも王都っても小っちゃな町なんだけどねー。でさ、カモッラで何するの?」
削除キー   

62 かなめ

2002/01/17 11:10

「何って聞かれてもボクにはわからないよ。とにかく北極星の方向に行くんだ」「ふうーん」その時、灰色の空を覆っていた雲が切れ、光が差し始めた。太陽の光はトントの上にも少女上にも、周りの建物の上にも同じように降り注いだ。
削除キー   

63 まりかちゃ@管理人

2002/01/22 15:04

トントは歩き始めた。カモッラという町を目指して。太陽が行く手を照らしている。太陽がもたらす光こそ、トントが秘めている力だった。彼はまだ何も知らず、何の力も持ってはいないがいずれその力が魔法となって姿を見せるはずだった。
削除キー   

64 めでぃ

2002/01/24 00:55

朝からひたすら歩きつづけて日が傾いてきた頃、ようやく坂の上に町並みが見えてきた。城壁は風雪にさらされてボロボロだし、城門もかなり年季が入っていていまにも倒壊しそうである。
削除キー   

65 まりかちゃ

2002/01/26 20:27

人の気配がしない。トントは城門の中に入ったときに不思議だなと思った。赤毛の女の子は王都だと言ったはずだ。活気どころか人影すら見えない王都なんかあるのだろうか?トンとの疑問に答えるように無人の家の扉がバタンと閉まる。
削除キー   

66 かなめ

2002/01/30 10:01

町の大通りから一歩入ったところに小さな宿屋をみつけ、トントは足を踏み入れた。けれど人の気配がなく、客を迎える宿の人間の姿もない。
削除キー   

67 まりかちゃ

2002/02/03 13:32

怪しい気配が漂っていた。かつて王都として栄えていたこの町にある日突然魔物が入り込んだ。王宮はかろうじて守られているが、人々は逃げ惑いこの町を離れたことをトントはまだ知らなかった。夜、魔物は動き出す。
削除キー   

68 めでぃ

2002/02/05 16:05

トントは王宮に向けて歩き出していた。何も食べずに歩きつづけたからお腹はぺこぺこ、体はくたくたなのに。いままで感じたことのない、万物の王にでもなったかのような高揚が彼を突き動かしていた。あそこには何かがある…
削除キー   

69 かなめ

2002/02/06 09:58

「城の中に入るつもりか」あの船で会った男が、不意に建物の影から現れた。「なんでお前がここにいるの?」目を白黒させながら、男をもう一度よく観察した。大きいけれど細い身体、白い肌、目の色は黒く、銀色の長髪は背中まである。
削除キー   

70 めでぃ

2002/02/06 21:31

男が口を開きかけたのを制するとトントは言った。「お前など必要ないよ。僕はあそこにいきたいんだ。邪魔をするな。」そう言ってまた歩き出した。血液が沸き立ち、脳が爆発する。この町に来てから、トントに変化がはじまっていた。
削除キー   

71 かなめ

2002/02/07 09:10

足元の影・・・そのうちの新しく出来た方が波打つように揺れていた。男はそれを見ると目を細め言った「私の名はヴィーダ。困った事があったら呼ぶが良い・・・呼ばれなければ私はここには入れないから」
削除キー   

72 まりかちゃ

2002/02/15 19:34

城の門は昼間は開けられている。日没と共に衛兵によって固く閉ざされてしまう。扉が開いているうちに入った者は一夜の宿を供される。トントは開いている扉の中へと入り込んだ。大勢の旅人や町の人で溢れかえった庭。
削除キー   

73 めでぃ

2002/02/17 10:37

トントは地べたにすわって酸っぱい葡萄酒を飲みチーズを齧ると、目をつむり周囲を”観察”し始めた。城の外側に物の怪どもの気配が感じられるが、城の内部には異常はない。魔法使いが五人…大した使い手ではない。目を開けると、すでに真っ暗になっていた。
削除キー   

74 かなめ

2002/02/20 16:04

夜は星明かりしかない島で育ったトントの目は闇ですら良く見通せた。だから、建物の通用門が音も立てず小さく開いたのに気付くことが出来た。しかし待てども、ぽっかり空いた通路からは誰も出て来なかった。
削除キー   

75 めでぃ

2002/02/22 21:24

「虎穴にいらずんばなんとやら…ま、入ってみよ」トントは通用門を覗き込んだ。
削除キー   

76 まりかちゃ

2002/02/26 14:51

その時、一陣の風が吹いた。嫌な臭気をはらんでいる。トントは顔をしかめ風上に目を向けた。風上にはうんざりするほど大きくて不気味な異形のものが赤い目をして立っていた。
削除キー   

77 かなめ

2002/02/27 11:44

「グル・・・グルルルルル・・・」犬のようなうなり声を発し、じっとこちらを見つめている。トントは息を飲んでじっと赤い眼を見つめ返した。
削除キー   

78 めでぃ

2002/03/03 03:52

トントは豹のようにすばやく近づいてふところに入り込んだ。そしてじっくりと眺めてみる。泥のような匂い、デッサンの狂ったオオアリクイのような形。「魔物……かな?」
削除キー   

79 T.Nak

2002/03/04 02:57

そう思ってしばし考えていると後ろから方をたたかれた。振り向くと一人の医者がそこに立っていた。
削除キー   

80 かなめ

2002/03/04 10:55

アリクイに似た獣は後ずさりを始めた。トントは自分が乗って来た船の船医を見て逃げたのを悟った。
削除キー   

81 めでぃ

2002/03/10 15:30

「坊主、身のこなしはたいしたもんだが、もうちっと慎重にいこうぜ」医者が髭をしごきながら喋る。「奴らは一匹二匹じゃねえんだからよ、やたらと魔法をつかうんじゃねえぞ」ふと見ると魔物との距離は十歩にまでひろがっている。
削除キー   

82 かなめ

2002/03/15 16:22

「魔法?」首を傾げて仰ぎ見ると、医者は心底呆れた、といった表情をしてみせる。「お前のその手、それが魔法でなくてなんだってんだ」言われて自分の掌をのぞき込むと、そこには文字のような絵のような文様が現れていた。
削除キー   

83 まりかちゃ

2002/03/18 15:03

「うわーっっ、なんだこれっ!」トントは叫んだ。掌を見るまで知らなかったのだ。その姿を見て船医が笑っている。そして、トントの頭をポンと叩きながら言った。「なんだ、お前、魔法の使い方知らねーのか?なんて奴なんだ」
削除キー   

84 mad_doc

2002/03/18 19:00

「ナンテヤツナンダ・ナンテヤツナンダ・・イヒヒヒ」船医の肩に乗った色鮮やかな鸚鵡が不気味に笑い、繰り返した。鸚鵡は軽々と翼をひるがえし、門の中へ飛び言った。一瞬その姿は黄金に輝き、そして消えた。
削除キー   

85 めでぃ

2002/03/19 09:12

おりしもその頃、北の王国の覇者イェスパー=ユングは隣接する大国三重帝国の帝都アギーレの食堂でうどんを啜っていた。百人は入ろうかという食堂には他の人の姿はなかった。食堂の外を見やればその謎はすぐに解ける、なにしろ馬鹿でかいドラゴンが唸りをあげて暴れているのだから。
削除キー   

86 まりかちゃ

2002/03/20 16:23

「出汁の味がいまいちだな」とぼやきつつ、箸をおく。ドラゴンはまだ暴れているが、ユングが声をかけると動きを止めた。「行くぞ」ひらりと窓を飛び越え、ドラゴンに跨る。埃を巻き上げながら、飛び立つドラゴンは曇った空に消えた。
削除キー   

87 めでぃ

2002/03/22 11:40

「チッ、なんつうはた迷惑な奴だ、うああっ」腰まで伸びる黒髪を振るって、ホコリを落としながらつぶやく。見ると苦みばしった髭面の五十男である。「野郎がもう少し弱けりゃ、ぶん殴ってるところだが」この男こそ、帝都の守護を担うスペードのエースなのだが…
削除キー   

88 まりかちゃ

2002/03/22 15:55

「よく言うわ、殴るどころか、隠れていたのはどこのどなた?」と嫌味なことを言うのは、彼の妻である。「いや、それはだな。もし俺が暴れたらますます酷いことになっちまうだろ?」と言い訳をしながら片付け始める。
削除キー   

89 mad_doc

2002/03/22 18:35

二人は、オメルタの帝都カモッラに向かい旅の途中であった。アギーレの王よりの親書を大事に携えて、はるばる24の太陽と月の日、歩き詰めだった。それだけに否応に、ドラゴンで軽々と飛び立つ男が苦々しかった。
削除キー   

90 まりかちゃ

2002/03/26 01:17

「でも、あなた。ユングが向かった方向もモッカラじゃない?」と妻のエレーナがドラゴンの消えた方向を見ながら言う。「そうだな。何かが動き出した気配がするな。急がなければならないぞ」
削除キー   

91 めでぃ

2002/03/30 12:48

「もう一度お伺いいたします、サロメの居場所と太陽の指輪のありかを教えなさい」強い口調で言い放つ大年増の女。黒い装甲服を着て腕組みをしながらローズマリーの前に立っている。体はローズマリーの半分ぐらい、眼に力があるが、丸顔でふっくらしているのでさほどきつい印象はない。
削除キー   

92 まりかちゃ

2002/04/01 16:11

「教えるつもりはない。おまえの主に伝えるが良い。私は百年前に掛けられた呪いのせいで魔法も影も失った。百年という時の長さは、おまえにもおまえの主にもわかるまいが、私はじっと待っていたのだ。今時は満ちた。邪魔はさせない」そう言うとローズマリー短剣を胸に突き立てた。
削除キー   

93 めでぃ

2002/04/08 00:38

女はローズマリーの巨躯をどうにか支えると、短剣を引き抜いて傷口に手を当てた。瞬間、眼を焼くような爆発的な閃光。女が魔法の力をそそぎ込んでいるのだ。だが、出血が止まらない。傷に当てた指の間からあふれ出てくる。「そうか!封印されていた魔力とのつながりが断たれたのね」
削除キー   

94 まりかちゃ@管理人

2002/04/15 15:10

女は、自分の力が及ばないと知るや、素早く行動を起こした。主ならばローズマリーの命を助けられるはず。ローズマリーに死なれては困るのである。マントを翻しローズマリーにかけると呪文を唱えた。
削除キー   

95 めでぃ

2002/04/21 00:00

「して、おぬしはどう思う?」と太い声でいうのは、銀髪の男、ヴィーダ。これに医者が答える。「そうさな、これだけの数の物の怪どもを引き寄せるんだ、生半可なものじゃぁあるまいよ、散逸した魔術大典か?旧帝国の聖剣か?違うな…ベアトリーチェだよ、ベアトリーチェ」
削除キー   

96 めでぃ

2002/05/14 01:17

「たしかに。魔術大典は内容はともかくただの本だ、魔物はよりつくまいよ。聖剣も九百年も前に破壊された。だがな、ベアトリーチェにしても、ここ二百年誰もみていないじゃぁないか」と、うさんくさそうに言って、ニヤけながら顎鬚をもてあそんでいる医者を見た。
削除キー   

ホームページ  検索  ヘルプ  |  リスト   前のスレッド  次のスレッド  
お名前
メール
内容

送信する前に確認しましょう       

Point One BBS